退職代行サービスの利用を考えており、退職届を出すべきなのか悩んでいる方もいるでしょう。
結論からお伝えすると、退職代行サービスを利用する場合でも、退職届を提出したほうがよいといえます。

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退職届とは
まず最初に退職届と退職願の違いについて説明します。
退職届と退職願の違い
- 退職届
-
会社に対して退職の意思を伝え、退職手続きを開始するための書類
- 退職願
-
従業員自身の意思を明確にするための書類
一方で退職願は、あくまでも「退職したい」という意思を伝えるための書類ですので、退職届が受理されるまでの間なら撤回することができます。
退職届に記載する内容
退職届に決まった書式はありませんが、次の項目を縦書きまたは横書きで記載するのが一般的です。
- 表題(「退職届」と記載)
- 提出日
- 宛名(会社名と代表者名+「殿」)
- 所属部署・氏名(押印)
- 退職理由と退職日
本文は次のような一文で足ります。
私儀、このたび一身上の都合により、来る◯年◯月◯日をもって退職いたします。
注意したいのは退職理由の書き方です。自己都合で辞める場合は「一身上の都合により」と書くだけで十分で、人間関係や待遇への不満といった具体的な事情を書く必要はありません。
退職代行サービスの多くは退職届のテンプレートを用意しているため、書式に迷う場合は依頼先に確認するとよいでしょう。
退職代行サービスを利用する際に退職届は必要か
法律上は退職届の提出は必須ではありません。
しかし、退職代行サービスの利用の際も退職届は提出すべきです。
退職届を提出することで、会社とのトラブルを防ぎ退職の手続きをスムーズにおこなえるからです。
必須でないのは、民法第627条が求めているのが「解約の申入れ」だけで、書面の提出を条件にしていないためです。口頭でも、代行業者を通じた連絡でも、意思が伝わっていれば退職は成立します。
それでも退職届を出したほうがよい3つの理由
- 退職の意思を伝えた記録が書面で残る
- 自己都合か会社都合かで争いになるのを防げる
- 離職票などの発行手続きが滞りにくい
とくに離職票は失業保険の申請に必要な書類です。退職の意思表示が書面で残っていないと、会社側の手続きが後回しにされることがあります。
提出するのは「退職願」ではなく「退職届」
注意したいのが、退職願ではなく退職届を提出するという点です。
退職願は「退職したい」という希望を伝える書類で、受理されるまでは撤回できます。会社側から見ればまだ交渉の余地がある状態なので、引き止めや保留の口実になりかねません。
退職届は受理された時点で撤回できないため、退職の意思を明確に示せます。退職代行を使う場面では、こちらを選ぶのが確実です。
退職代行が代わりに提出できるのか
退職届は本人の名義で作成する必要がある書類です。そのため代行業者が本人に代わって署名・押印することはできません。
実務上は、本人が作成した退職届を代行業者が会社へ送付する、あるいは本人が直接郵送するという流れになります。テンプレートの提供や送付の代行までは依頼できるため、書式に迷う場合は申し込み時に確認しておきましょう。
退職届を提出するタイミング
退職代行サービスを利用する場合、代行業者が退職の意思を伝えたあとに退職届を提出します。
提出の際は、送付した記録が残る「特定記録郵便」を利用しましょう。
代行業者によっては、退職届のテンプレートを保有していることがあるため、前もって確認しておくと安心です。
そもそも退職代行サービスとは
ここでは、退職代行サービスとはどのようなサービスなのかを説明します。
本人に代わって代行業者が退職手続きをするサービス
退職を検討している人のなかには「パワハラを受けており辞めたいと言えない」「引き留めがしつこく困っている」とお悩みの方もいるでしょう。
このような悩みを持った方に向けて、退職代行では以下のサービスを提供しています。
- 退職の意思を代わりに伝達
- 給料・有給消化に関する交渉の代行(労働組合・弁護士が運営するサービスのみ)
- 退職届のテンプレート共有
- 引っ越しサポート・求人紹介サポート
代行業者によって対応範囲やサポートの内容は異なりますので、利用前に必ず詳細を確認しておきましょう。
退職代行を使っても退職できる法的な根拠
「本人以外が伝えても退職できるのか」と不安に思う方もいるでしょう。期間の定めのない雇用契約であれば、民法第627条により労働者はいつでも退職を申し入れられます。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
つまり申し入れから2週間が経てば、会社の承諾がなくても退職は成立します。退職代行は、この申し入れを本人の代わりに伝える役割を担っているにすぎません。
退職を切り出せない相談は年間3万件を超える
退職代行の需要は、行政への相談件数からも読み取れます。厚生労働省「令和7年度個別労働紛争解決制度の施行状況」によると、民事上の個別労働関係紛争の相談32万7,359件のうち、「自己都合退職」が3万8,386件(11.7%)で2番目に多い相談内容でした。
これに「退職勧奨」の2万6,022件(7.9%)を加えると、退職をめぐる相談は年間6万件以上が行政の窓口に届いていることになります。辞めたいのに切り出せない、辞めさせてもらえないという状況は決して珍しくありません。
出典:厚生労働省|令和7年度個別労働紛争解決制度の施行状況
退職代行サービスは主に3種類に分けられる
退職代行サービスを行う事業者は大きく3種類に分けられます。
民間の退職代行業者
企業として営業している退職代行サービスで、専門のスタッフが退職手続きを代行します。
比較的手軽で価格が安いことが多いですが、あくまでも「退職意思を伝えるだけ」に留まるので、法的な助言やサポートは限定的となっています。
労働組合
退職代行サービスには、労働組合によって運営されているものもあります。
正社員であっても非正規社員であっても加入でき、労働組合として「団体交渉権」が認められているため、未払い賃金の請求などの交渉が可能です。
民間の退職代行業者に比べると費用が高めですが、弁護士に依頼するよりも安く済む傾向にあります。
弁護士(法律事務所)
退職代行は、サービスを提供する事業者の資格や内容によっては「非弁行為」とみなされるリスクがありますが、弁護士がおこなう退職代行であれば、その心配はいりません。
ただし専門性の高さから、民間の退職代行事業者に比べて費用は高くなる傾向にあります。
3種類の違いは、会社とどこまで交渉できるかに表れます。対応できる範囲を整理すると以下のとおりです。
| できること | 民間企業 | 労働組合 | 弁護士 |
|---|---|---|---|
| 退職の意思を会社へ伝える | ○ | ○ | ○ |
| 有給消化・退職日の交渉 | × | ○ | ○ |
| 未払い賃金・残業代の請求 | × | ○ | ○ |
| 損害賠償請求への対応・訴訟 | × | × | ○ |
| 費用の傾向 | 安い | 中間 | 高い |
民間企業に依頼できるのは退職の意思を伝えることまでです。有給を使い切りたい、未払いの残業代を払ってほしいといった希望があるなら、労働組合または弁護士が運営するサービスを選ぶ必要があります。
運営元を確認しないと違法な業者に当たることがある
弁護士資格を持たない人が報酬を得て法律事務を扱うことは、弁護士法第72条で禁じられています(非弁行為)。民間企業が交渉まで踏み込むと、この規定に触れるおそれがあります。
実際に、退職代行サービス「モームリ」を運営する株式会社アルバトロスの代表らが、2026年2月に弁護士法違反(非弁提携)の疑いで逮捕されました。報酬を得て特定の弁護士に依頼者を斡旋していたとされ、提携先だった法律事務所2社の代表弁護士も同月に書類送検されています。
大手として知名度があっても、運営体制に問題を抱えている場合があります。有給消化や未払い賃金の交渉を希望するなら、運営元が労働組合か弁護士かを申し込み前に必ず確認しましょう。
出典:東京商工リサーチ
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退職代行サービスを利用する際の流れ
ここでは、退職代行サービスを利用する際の流れを紹介します。
退職代行サービスに相談
民間の退職代行業者、退職代行ユニオン、法律事務所などから、自分にあったサービスを選択します。
電話やwebサイトから問い合わせをおこない、詳細や料金など対応方法を相談して申し込みましょう。
多くのサービスは無料相談を設けています。次の点はこの段階で確認しておくと、あとで想定外の費用や対応範囲のズレが起きにくくなります。
- 運営元(民間企業・労働組合・弁護士のどれか)
- 有給消化や退職日の交渉に対応できるか
- 追加料金やオプション料金の有無
- 退職できなかった場合の返金保証
- 連絡手段(LINE・電話・メール)と対応時間
料金の支払い
利用するサービスが決まったら、業者と契約を結び、料金を支払います。
多くの退職代行業者はクレジットカードや銀行振込など様々な支払い方法に対応しています。
なかには後払いなど、利用者のリスクを減らす取り組みをおこなっている業者もありますので、ニーズに応じて選んでみてください。
ヒアリングシートの記入
契約後、料金を支払ったら、次に以下5つの情報を記入します。
- 基本情報 (氏名、連絡先、退職希望日、勤務先、部署や役職など)
- 退職理由 (退職理由の詳細、会社や上司との関係、辞めにくい理由など)
- 契約内容の確認 (退職通知の期間や規定がある場合の確認、未払いの給与や残業代、有給休暇の残日数など)
- 職場の状況 (職場環境や人間関係の状況など)
- 退職後の手続き (離職票の発行、退職証明書の必要性、退職金やその他の手当の確認)
退職代行業者から会社へ連絡
伝えられた情報の内容をもとに退職代行サービスが会社へ連絡します。
必要に応じて退職日や未払い残業代などの交渉をおこなうため、1回の交渉で終わることもあれば複数回かかることもあります。
ただし一般の退職代行業者には交渉権がありません。
会社から承認後に退職手続きをおこなう
退職が決定したら、退職に関する書類が送られてくるのを待ちます。
このタイミングで、退職届や会社からの貸与物、保険証などをまとめて返却します。
直接渡すことが難しい場合は、「特定記録郵便」に設定の上、記録が残る形で郵送しましょう。
あわせて、会社から受け取るべき書類も確認しておきましょう。受け取り漏れがあると、失業保険の手続きや転職先での手続きが滞ります。
- 離職票(失業保険の申請に必要)
- 雇用保険被保険者証
- 源泉徴収票
- 年金手帳(会社が預かっている場合)
アフターサポート
退職代行によっては、求人紹介サポートや引っ越しサポートなどを提供しているところもあります。
不安に感じることがあれば、随時相談しながら進めましょう。
退職後は失業保険や傷病手当金の手続きが必要になる場合があります。受給できる条件や金額を把握しておくと、次の仕事を探す期間の見通しが立てやすくなります。

退職代行サービスを利用するメリット
退職代行を利用するメリットとして以下のものがあります。
心理的負担の軽減
退職代行を利用することで、上司と顔を合わせずに退職手続きがおこなえます。
直接伝えると執拗な引き留めにあったり、許可してもらえないという方もいるでしょう。
退職代行であれば、代行業者があなたに代わって退職の意思を伝えてくれるため、不安やストレスを軽減することができます。
時間の節約になる
退職代行サービスを利用すると、以下のサポートが受けられます。
- 退職届のテンプレートがもらえる
- 引継ぎの手配
- 備品の返却代行
- 未払い給与の確認
このような手続きを退職代行業者が代行してくれるため、時間や労力を大幅に節約することが期待できるでしょう。
退職後のサポートが受けられる
退職代行によっては、退職後に下記のサポートを提供しているところがあります。
- 転職活動の支援
- 未払い賃金・有給消化などの交渉
- 離職票の受け取り
- 失業保険の手続きサポート 等
退職代行サービスを利用する際の注意点
メリットの一方で、退職代行には向かない場面や気をつけたい点もあります。
民間業者では交渉ができない
前述のとおり、民間企業が運営するサービスは退職の意思を伝えることしかできません。有給を使い切りたい、未払いの残業代を精算してほしいといった希望があるなら、労働組合または弁護士が運営するサービスを選ぶ必要があります。
費用がかかる
自分で退職を伝えれば費用はかかりませんが、退職代行では2万円前後から10万円程度の料金が発生します。交渉や法的対応が必要なほど高くなるため、何を任せたいのかを整理してから選ぶと無駄がありません。
退職後の手続きは自分でおこなう
失業保険の申請や健康保険の切り替えといった手続きは、原則として自分で進める必要があります。アフターサポートの範囲は業者によって差があるため、事前の確認が欠かせません。
実際に起こりうるトラブルとしては、以下のものが挙げられます。
- 退職が認められない
-
トラブル:退職代行サービスを利用して退職届を会社に提出しても、会社が退職を認めず、拒否するケースがあります。
リスク:会社側が退職を認めないと、引き止められたり、退職後の支払い(未払い賃金や退職金)に関する問題が生じる可能性があります。
- 業務の引き継ぎや退職手続きの不備
-
トラブル:退職代行サービスでは、会社との交渉や手続きは代行しますが、業務の引き継ぎがしっかりと行われないことがあります。
リスク:退職後に必要な書類(離職票や退職証明書など)が発行されなかったり、健康保険や年金などの手続きが滞ることがあります。
- 過度な費用の請求
-
トラブル:一部の退職代行サービスでは、契約時に提示されていなかった追加料金やオプション料金が請求されることがあります。
リスク:料金に関するトラブルが発生する可能性があるため、契約内容や料金体系を事前にしっかり確認しておくことが大切です。

退職届でお困りの方におすすめの退職代行サービス2選
退職届の作成に悩んでいる方に、おすすめの退職代行サービスを紹介します。
退職代行Jobs

- 顧問弁護士の指導を受けており、信頼性が高い
- 労働組合と提携しているため交渉が可能
- 転職活動や引っ越しなどのサポートが充実している
退職代行Jobsは、弁護士監修の退職代行サービスです。
弁護士の指導のもとでサービスを提供しており、法的に適切な方法で退職をサポートします。
運営元は民間企業ですが、労働組合と提携しているため、会社との交渉も可能です。
サービス料金は、23,000円(税込)と非常に良心的な価格です。
また、万が一退職できなかった場合には全額返金保証があるため、安心して利用できます。
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| 支払方法 | クレジットカード、コンビニ決済、現金翌月払い、銀行振込 |
| 公式サイト | https://jobs1.jp/ |
退職代行OITOMA

- 労働組合が運営しているため会社と交渉が可能
- 万が一退職できなかった場合には全額返金
- 相談無制限
退職代行OITOMAは、労働組合運営日本通信ユニオンが運営している退職代行サービスです。
料金は1律24,000円で、弁護士が監修しています。
メンタルケアや転職支援などサポートが充実しているため、アフターフォローが充実したサービスを使いたい方におすすめです。
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| サービス名 | 退職代行OITOMA |
| 運営会社 | 株式会社H4(エイチフォー) H4 CO., LTD. |
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| 支払方法 | クレジットカード、後払い |
| 公式サイト | https://o-itoma.jp/ |
退職代行に関するよくある質問
ここでは、退職代行に関するよくある質問についてまとめました。
退職代行サービスの費用はどれくらい?
退職代行サービスの費用は、サービスの内容や会社によって異なりますが、おおよそ1万5千円~10万円となっています。
- 一般の退職代行業者を利用する場合
-
2万円~4万円程度
- 退職代行ユニオンを利用する場合
-
1万5千円~3万円程度
- 法律事務所を利用する場合
-
4万円~10万円程度

退職代行サービスの利用者層は?
退職代行サービスを利用する人は、比較的若年層が多いです。
「わたしNEXT」が2021年に実施した調査によれば、退職代行サービスの利用者として最も多いのが、男女ともに「20代前半」でした。
ただし少ないとはいえ、40代~50代の利用者も一定数見受けられますので、必ずしも若年層のみが使うサービスとはいえます。

まとめ
今回は、退職届は必要なのか、退職代行サービスとは何か、利用の際の流れ、利用するメリット、利用する際のリスクなどについて説明しました。
退職代行サービスを選ぶ際には、過去に利用した人々の口コミやレビューを参考にしたりすることが、信頼できる業者を選ぶために重要です。
退職代行サービスを利用することで、退職に関するストレスや不安を軽減することはできますが、利用する際には、慎重に業者を選びましょう。
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